2019年9月に、ジェネシス・ジャパンの宇佐神実先生がミャンマーに来て、現地教会と神学校で創造論の講義をして下さいました。先生の講義を聞くまでは、創造論の講義をミャンマーですることについて、私は正直に言って、それほど積極的ではありませんでした。ミャンマーでは進化論は公立学校で教えておらず、人々もあまり知りません。そのような人々に進化論を否定して論争する話をしても意味があるだろうか、と考えていました。田舎出身の学術的思考に慣れていない人々に対して科学的に難しい話をしても、人々が理解できるか、また関心を持つかどうか疑問でした。また科学的な専門用語が多かったら、私がうまく通訳できるかも心配でした。私はもちろん天地創造を信じていて、それを教えることの重要性について理解しているつもりでした。しかし、未信者に対して聖書の創造を「科学理論で説得するアプローチ」で伝えても、頭の知識的興味や議論だけで終わってしまい、彼らが福音の救いのみことばを受け入れて生き方が変化するまではつながらないのではないか、と考えていました。
しかし、創造論の講義を聞く中で、私の考えが変わりました。まず、講義が子どもや未信者にもわかりやすく、自分の日常生活に関連があって、とても面白く興味を持てる話でした。密閉した水槽の中のエビが約6か月も生きられる話を聞いて驚きました。そしてその水槽を例に、天地創造の順序には論理的根拠があり、何百万年という長時間をかけてではなくて6日間で完成したという聖書の記述に確信が持てました。学会の論文発表のようなスタイルでも、変に科学的論争をするのでもなく、聖書のみことばと自然の事実から、創造主のみわざのすばらしさを伝えて、今の自分の人生が創造主の目にどんなに意味があるのかを教えられたのです。また今まで聖書をそのまま信じていたつもりだったのですが、実は自分が知らないうちに、世の中の価値観や考え方に染まっていて、この世の知識によって聖書を自分流に解釈していたことを気づかされて、ショックでした。この創造論の講義は、頭の知識だけではなく、今の自分の生き方の変革をチャレンジする、静かだけど熱い、創造主からのメッセージでした。先生の話を通訳しながら、まず自分が真理を発見して驚き、それに「アーメン」と同感し、恵まれ、その思いと力をもって聴衆に語ることができました。聞いていた人たちも、大変興味を持ち、大きくうなずいていました。聖書の創造の真理とその目的が彼らの心に入っていくのが感じられました。このような講義だったら、もっと聞いて学びたい、そしてもっと多くのミャンマーの人たちに伝えたいと思いました。神学校の先生も「次回はもっと長い時間を取ってセミナーをしたい」と言っていました。本当に感謝です。
今後は、頂いた資料を用い、まず自分の子どもたちに、創造主のすばらしさについてしっかり教えます。それから自分の教会の青年たち、そして未信者たちにも積極的に伝えていきたいと思っています。ミャンマーの多くの方々が、創造主のみわざを知り、聖書のみことばをそのまま信じて、創造の目的に従って人生が変えられていくように祈り、そのために仕えていきます。
宣教師 伊藤 仁 |